未明に考える──語られなかった歴史の片隅で
街がまだ目覚めず、人々の言葉が届かないその境界線に、私はしばしば惹かれる。
このブログ「未明考」は、そんな時間帯にふさわしい話題を綴る場所である。
主題は、歴史・戦争・都市伝説・未解決事件。だが、いずれも「公の語り」に乗らなかったものたち。
勝者によって語られなかった“裏の記録”、
新聞の片隅にも載らなかった“奇妙な現象”、
そして、かすかにネットの深層で語られ続ける“削除された真実”。
そういったものに私は、強く惹かれている。
現代において、歴史とは常に再構成されている。
公文書、記録、学問的議論──それらが社会的に“真実”として扱われる一方で、
証拠も、記録も、確証もないが「語り継がれてきた何か」もまた、別の真実として生きている。
このブログでは、後者のような「語り継がれた未明の知」──つまり、
記録の隙間に残された違和感、説明のつかない偶然、歴史の裏に沈んだ人間の息遣いを拾い上げていきたいと思っている。
なぜそれを「考える」のか?
答えは、誰かの“信じたいもの”の裏にこそ、
本当に考えるべき問いが眠っているからだ。
たとえば、都市伝説の中に出てくる謎の施設。
「そんなもの実在しない」と笑い飛ばされるが、
なぜ私たちは、それを“信じたくなる”のか?
その感覚自体が、社会の鏡ではないだろうか。
また、戦争において一切語られなかった部隊や命令。
それらの記録が意図的に「空白」にされていたとしたら──
そこにどんな権力や構造が潜んでいたのかを、私たちは問い直せるはずだ。
このブログは、真実を暴くものではない。
むしろ「未明のように、まだ定まっていない真実」のかたちを、
静かに考える場として立ち上げたい。
確証のないものを、丁寧に、誠実に扱いながら。
ときにフィクションのような、だが現実に根ざした“裏の知”に触れながら。
どうかこの場所が、
朝になる直前の、誰にも邪魔されない思索の時間のように、
あなたの思考と感性を自由にめぐらせる場になればと思う。
未明考──ここは、語られなかったものを考える場所である。
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